今年も総合型選抜入試の
一次試験の締切が迫ってきています。
タイトルにもありますが
私は、総合型選抜入試の指導の際には
必ず大学の先生が書いた論文や本を
生徒に読んでもらうようにしています。
というのも、生徒たちの学部選びの背景として
高校の授業で学んだ内容や
大学のパンフレット等をもとに決定するケース
が多いのですが、
それだけで大学・学部選びをする事による
ミスマッチも生じやすいからです。
「社会科が得意で興味があるから
社会学部に行く!!」
という決断も決して悪くはありませんが、
大学入学後に、
「思っていたのと授業内容が違った」
と感じる生徒は少なくありません。
その原因の多くは、高校までの勉強と
大学の勉強との質的な差にあります。
小中高までは比較的、
どの科目も内容として
段階的な流れがありますが
大学に入った瞬間、学ぶ内容は一変します。
(理系は除きます。)
国語であれば
中高時代は、作者の意図を
汲み取る読みが良しとされますが
大学では作者の人生や時代背景、
同時代の作品からの影響など、
それまでとは異なる読みが求められます。
そういった違いを受け入れられる学生であれば
学ぶ内容に差が生じても
大した問題にはなりませんが、
そうではない生徒はこのギャップに悩み、
場合によっては
大学をやめるケースもあります。
なので、私は授業でも大学で何を学ぶのかを
予め理解できるように、
大学の教授が書いた論文を
読んでもらうようにしています。
生徒によって反応の差はありますが
論文を読みレポートを書かせた後に話をすると
「高校の授業よりも断然面白い」
と言う生徒もいれば、
「学部を変えないといけないかもしれない」
と、自分のイメージとの違いに直面する生徒もいます。
私としてはこのイメージとの違いに直面する
時間こそが総合型選抜入試の準備として
大切なことだと考えています。
これまで想像してきたものを改めて見直し、
本当に自分がやりたいことを
根本から問い直していくと、
それまで意識していなかった何かが出てきます。
その時に私達指導者側の人間は、
聞き役として生徒たちが語る言葉に耳を傾け
都度、質問を投げかける。
この応答の繰り返しの中で
学問的な知識や論述力を身に着けながら
自分のやりたいことを見つけていく
それが総合型選抜入試の意義
なのだと思います。
50%以上の学生が、総合型選抜や推薦で
大学に入学するようになった時代だからこそ
「大学で何を学ぶのか」
ということを論文などを通して
真剣に考え、語り合う時間が必要です。
そのために指導に当たる側の人間にも
一定の学術的、専門的な知識やスキル
が求められます。
これまでの文章指導は
主張の整理や、誤字脱字の注意が
主なものだったかと思いますが、
そうした指導も今後は変わっていくはずです。
総合型選抜入試を単なる受験の手段として
ではなく将来を考える機会として捉える
この意識が一般化し
多くの学生が目的意識を持って
大学へ進学する世の中になればいいなぁ
と思いながら、日々指導にあたっております。
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